ドンキーの部屋

『小説家になろう』のおすすめと『中医学』に関するあれこれを紹介します

【小説家になろうオススメ】100.冒険者になるのです冒険者になるのです私は冒険者になって自由に生きていくのです。

今回は女主人公のハイファンタジーを紹介します。主人公はマイペースで最強です。

No.100 冒険者になるのです冒険者になるのです私は冒険者になって自由に生きていくのです。

作者

みれにあむ 様

あらすじ

 産まれた時の事は憶えていません。きっとそれは殆どの人が同じなのではと思っています。ですけど物心付いたのは相当に早かったらしくて、憶えている一番昔の想い出は、既に家の中の本棚を漁って見付けた本を一人で読み耽っていた想い出です。
 母様に聞いても絵本の読み聞かせをしたのは初めの一月か二月ぐらいで、後は寝落ちするまで母様所蔵の紀行物を一人で読んでいたみたいですから、私の本好きはその頃に形作られたのかも知れません。

 もしかしたら、そこに自由や冒険と言った響きを見付けてのめり込んだのかも知れませんが、冒険という言葉に特別な憧れを持つ様になったのは、いつの事からでしたでしょうか。
 四歳の頃、家の中に有った本を読み尽くしてしまった私が、母様にねだって街の貸本屋へと連れて行って貰った先で見付けたのは、街の中を闊歩する戦う人達の姿でした。
 父様も戦う人である事は知っています。兄様達に剣の稽古を付けているのですから。
 ですけど街で出会った戦う人は、父様とは何処か違っていたのです。

「ん~、ディルバは騎士で、あそこの人達は冒険者だよ?」
冒険者? 冒険する人なのですか?」

 この時初めて私の住む街が冒険者の街なのだと知って、私の中で何かがカチリと噛み合ったのです。

 後になって考えれば其処には記憶持ちの宿業が含まれていたのでしょうけれど、それが無くても結局の所私は同じ道を選んだのでしょう。それに、殆ど憶えていないとは言え、記憶持ちの記憶に助けられた事も多いのですから、そこに思う所は無いのです。

 それからも色々と有って、結局私が冒険者として出発出来たのは、十二歳になった春の足音が聞こえてくる頃。
 その日の光景を、きっと私は忘れる事は無いでしょう。

 その日の朝、六番目の南門から街の外へと出ようとした私は、門兵のお兄さんから軽い調子で話し掛けられました。

「おや? 今日は何処まで行くつもりかな?」
「成り立ての冒険者が森で初めて行くのですから、花畑ですよ?」
「ははは、そうか。しかし一人で行くなら慎重にな。少しでも不調が有れば直ぐに帰って来る事だ」
「はい! 行って来ます!」

 門兵のお兄さんの御蔭で、少し緊張が解れたのです。
 この時の気持ちは、今も私の胸の中に。
 ええ、冒険者になるのです。冒険者になるのです。私は冒険者になって自由に生きていくのです

出典:本小説あらすじより

感想

これはいつからか冒険者に憧れを抱くようになった少女が冒険者になり活動していく物語です。

あらすじを読んでいただければ分かるとは思いますが、この小説は他に類を見ないほどに読みやすく、この感じで主人公の一人称視点を中心に物語は進んでいきます。

主人公はその生い立ちからと隠れ潜む能力を高めていて、その力を主体にモンスターと戦っていきます。
そして戦いのなかで自分に足りなかったものを自分で補う自己完結型の主人公でもあります。
例えば鍛冶はその最たる例で、自分に合った、素材に合った武器を鍛造していきます。

冒険者の活動はその能力からもソロでの物が多いのですが、主人公が冒険者になることをいつまでも反対する父親を始め多くの登場人物との関わりもしっかりあって、主人公の日常を構成するそれらの要素が蛇足にならない程度に丁寧に書かれていて、とても私の好みの小説でした。
物語が進むにつれて父親の駄目さ加減が目立ってきてなんだか読んでて虚しくなりました。
父親の気持ちも分かるんですけど、それでもやっぱりどうにかならんかなと。

そしてこの小説は特に一章の完成度が高くて、主人公が冒険者として活動し始めてから周囲にその存在を認められるまでのものなのですが、ここで私があれこれ言うよりも実際に読んで実感してほしいです。
一章の完成度が高すぎて二章のそれが物足りなく感じる程なので。それでも他の多くの作品よりも圧倒的に面白いのですが。

そして現在は二章を書き終え更新を停止しておりますが、作者様にはこの先の構想もしっかりあって書くつもりがあると明言されているので安心して待つことが出来ます。

冒険者に憧れた少女が気の赴くままに冒険者になる物語。少しでも興味を持って貰えたならば是非読んでみてください。

評価

総合評価A
女主人公
主人公最強
ひとり

その他

更新停止中
文字数 1,754,570文字

小説リンク

こちら

今までの紹介まとめはこちら↓↓↓
donngy.hatenablog.jp