感情が死んだ時、それは完成した
昔の俺はもっと感情表現が豊かだった
嬉しいときは馬鹿みたいに喜んだし、ムカついた時にゃ死ぬ程怒った。
……そして溺れるほどに涙を流した。
そんな俺もいつからか感情表現を抑えるように
なっちまった。
明確なきっかけはねぇ気がする。
ただ自然とそうなったんだろう。
これは成長か?
子供から大人へ
俺にとって感情をコントロール出来ねぇなんて論外だ。
きっと多くの醜い人間を見てきたからだろう。
物事が思い通りにいかないからってよ
不満を周囲に垂れ流してるだけの奴だとか
怒りに任せて喚き散らしてる奴だとかよ
こいつ等のしょうもなさなんざ言うまでもねぇだろ?
こんなん見てきてそれでも感情的に生きられるかってんだ。あまりにも格好悪ぃ。
感情を野放しにすんのが恐ろしい。
憐れな自分を認められない。
それからよ、感情を制御することにゃ大きな利点があんのよ。
感情を適切に扱うと人間関係が円滑になるんだ。
嬉しい時に嬉しいって素直に表現するだけで相手も何だか嬉しそうにしてくれる。
楽しい時も同じ。それを共有出来ると一気に距離が近くなる。
手綱は握りつつも素直に表現出来りゃあそれだけで大抵の奴とは親しくなれる。
そして嫌悪や怒り。
こいつ等すらも上手く扱えるようになりゃあコミュニケーションがとんでもなく楽になるんよ。
うぜぇ人間にあえて嫌悪を見せることで、相手に自覚を促す。
怒りを見せることで反省させる。
普段見せねえからこそさ、それらの感情を滲ませた時にその効果は絶大になるんだ。
感情って奴が道具として使い勝手が良すぎるんよ。素直さが馬鹿らしくなる程にさ。
……最近、腹ぁ抱えて笑ってねぇなぁ。
その先に待つものはとは
己の感情を制御する。
その上で相手の感情を扱えるようになりゃあ怖いもんはねぇんよ。
自分を曲げずに、理解を示す。
それだけで信頼すらも得られるんだからな。
人とのコミュニケーションなんざホントの所、すげぇ楽なんよ。
でもよ?
それが出来るようになって幾年もするとさ、ふとある言葉を意識するようになるんよ。
それが
『孤独』
人との関わりを機械的にしすぎて、気楽で簡単で何の苦労もなくて。ストレスもなく楽しくやってるんにも関わらず、心が通じることはねぇんだなと実感しちまうんだ。
まぁな。
そりゃあそうさ、自分からその可能性を捨ててるんだからな。
そんなもんだから俺が感情を制御下から外して素を出せる人間は限られてる。
一握りの人間に過ぎねぇ。
でもよ、それで良いんだと思う。
自由に振る舞うためにゃあやっぱり捨てなきゃならねぇもんもあってよ。
完全に満たされる事なんざありえねぇんだから。
それはそれでつまらねぇなって思っちまうんだから。
不自由を満喫してこその人生なんだろう。
お前等は何の配慮もなく心を表現出来る奴、周囲にどれくらい居る?
今思い浮かんだ顔、大事にしようぜ。
たとえ一人でも素を出せる奴が居りゃあ良いじゃねえか。
孤独? 上等。
これが俺の生き様だ。
壊れてるんだってよ
「俺ぁ既に壊れてるんかね……?」
ある時、ふとそんな事を思った。
周りの奴等は涙を流して悲しんでんにも関わらず、唯一人、俺は平然と突っ立っていた。
感性が人とは違う。
普通の人が普通に悲しむトコロで共に涙する事が出来ない。馴染めないんだ。
それでも悲しんでいるフリはする。普通のフリはするんよ。ただ『空気を壊さない』、それだけの為に。
壊れてるってのぁ一体何だ?
そいつぁ誰が決める?
少なくとも俺の事ぁ俺が決める。他の誰にも決めさせねぇ。そのつもりなんだがよ、それだけじゃ許されねぇんが世間ってやつでさ、どうしても他人の評価が入って来やがる。
邪魔臭ぇが無視できねぇコイツとは向き合うしかねえんさ。
どう見られ、どう在るか
世の中にゃあ無視できねぇ2つの視点が存在する。
俺の視点と他人の視点。
どっちに重きを置くかは人それぞれだろう。
半々で生きてるって主張するやつも居りゃあ、他人100%。人が見る自分が己自身だなんぞと宣う生き辛そうなやつだって居るだろうさ。
ちなみに俺ぁどんなもんか?
……自分が8の他人が2だ。
以外かもしれねぇしそうじゃねぇかも知れんな。ただ俺の事を少しでも知ってくれてる奴からしたら意外性なんざねぇだろう。
俺ぁさ、基本的にゃあ自分本位に生きてるんだがよ。それでもたまに、人の評価を物差しに、自分在り方を修正することがある。
客観視は重要だ。
ある時自分に酔ってんだろう奴がいてさ。そいつぁ独りよがりに持論を喚き散らしてやがってよ。それを見て俺ぁ滑稽だなと思うと同時に、その醜態に恐怖すら覚えた。
どんなに強がった所で人に関わってしか生きて行けねぇんだからよ。
そんで特に壊れてるかどうか。こいつで重要になってくるんが後者、他人の評価になる。壊れてるっ事ぁコミュニティに属すに値しねぇてことにもなっちまうんさ。
自分勝手にゃ振る舞えねぇ時もある。
普通からの逸脱
壊れてるってのぁつまり感情の本流から外れることだ。
これを見て普通じゃねえって判断されんだな。
……良いじゃんかよ。最高だ。
そう見られたんならこっからぁこっちのもんだ。
天下御免を授かったに等しい。
場を乱さねぇ為に偶にゃあ空気を読みながら自分勝手に振る舞おうぜ。
ここに。
唯一無二の俺がいる。
普通じゃねえ。
特別な俺がいるんだからよ。