【小説家になろうオススメ】68.土地神様は吸血鬼 ~人間に育てられた吸血鬼の日常~
今回は女主人公のハイファンタジーを紹介します。現地主人公で主人公最強の日常系です恋愛要素はありません。
No.68 土地神様は吸血鬼 ~人間に育てられた吸血鬼の日常~
作者
大介 様
あらすじ
周りに人の集落も無く本来はダンジョンにしか生息しない吸血鬼。
しかし、森には捨てられてしまったのか吸血鬼の赤ちゃんがいた。冒険者を引退した女性に偶然拾われて小さな村で育てられた。
赤ちゃんはシャーロットと名付けられた。お母さんが亡くなるまで一緒に過ごしたシャーロットはお墓を建てた。
そして、同じ場所で眠りたいと願う。お母さんも守っていた村をシャーロットは守り続けた。
その結果、安全な村として評判となり人が集まった。その頃には人々から尊敬されるようになっていた。
更に歳月が流れ村から街に変わる時に名前も変える事になった。
シェリル街、命名権をもらったシャーロットはお母さんの名前を付けた。シャーロットが街を守る理由が1つ増えた。
500年以上の歳月が流れた時、彼女は土地神様として街の人々から崇められていた。
※吸血鬼シャーロットと周りを取り巻く人々との日常です。
出典:本小説あらすじより
感想
森に捨てられた吸血鬼の赤ちゃんが冒険者に拾われて育てられた事を恩に感じて、死んでしまったその冒険者の墓を守り続けた吸血鬼の女性が主人公の物語で、これはそんな生活を500年ほど続けたことで周囲は街にまで発展し、主人公は土地神様として崇められている、そのような状体から始まります。
人間に育てられた主人公は吸血鬼と言ってもその精神性は少し人間の命を軽く見ているだけのほぼ人間のもので、そんな存在が長生きしてしまって相応の能力も所持している状態なので感情移入は比較的容易でとても読みやすかったです。
この物語の主な流れは街の最終決定権をもつ土地神の主人公と、どんなに高潔にあろうとしても人間であり醜さからは抜け出せない街の人々との日常を描いたもので、この主人公が持つ育ての親と同じ人間に対する期待と、自分を律しようとしても堕落からは逃げられない人間の様子がもどかしく、読んでいて自分も少しがんばろうかなとか考えさせられました。
そしてこの小説は、序盤はほとんど主人公の視点で物語が展開されていたのですが、マンネリ化を防ぐためか他人視点が増えてきて主人公視点が減り、群青劇の相様を呈してきます。
さらに主人公格の人物が登場してその人の視点は主人公と半々くらいの分量になるので、この良し悪しは人それぞれだとは思いますが、好みが分かれるかなとは思います。
人間に育てられた主人公が土地神として街とそこに住む人間を守っていく物語。少しでも興味を持って貰えたならば是非読んでみてください。
評価
総合評価D
女主人公
主人公最強
中盤から群青劇