ドンキーの部屋

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【おすすめ紹介】36.清貧に生きる野良神官は魔物退治をしながらお金を稼ぐ夢を見る【小説家になろう】

今回は女主人公のハイファンタジーを紹介します。現地主人公でチートはなし、等身大の少女たちが頑張る物語です。

No. 35 清貧に生きる野良神官は魔物退治をしながらお金を稼ぐ夢を見る

作者

兎野羽地郎 様

あらすじ

孤児院で生まれ育った少女は15歳の成人を迎え神官に任命された。国教教会所属の神官になれば衣食住に不自由は無い。もちろん贅沢も無い。神官は清貧なのだ。しかし、彼女はそれ以上のなにかになろうと思った。ただ単に仕事を見つけるだけじゃ駄目だ。もっと、夢を持とうと。そして、同い年の仲間たちと話し合いの末にたどり着いたのが、魔物退治屋だった……。

 中世ヨーロッパ風の異世界で、普通の能力を持った主人公が周囲のチートなベテランに支えられて、まったり、のんびりと魔物相手に奮闘する物語。


出典:本小説あらすじより

感想

主人公は野良神官となり魔物退治屋として活動していきます。スタートメンバーは主人公のジャンヌ、道具屋に務めるベアトリクス、町の衛兵ベイオウルフ。この孤児院出身、同い年の少女三人組です。
彼女たちにはそれぞれ別に将来の夢、目標がありそれが交わることはありません。しかし今その時は同じ目的に向かい協力しています。寂しいですが人生なんてそれが当たり前で、ずっと一緒にいることなんて出来ないものなんですよね。だけれど多くの物語ではその辺りをなあなあで済ませている事が多いと感じます。
この小説では主人公たちを等身大に描き、夢見る町娘が出来るであろう事を逸脱することはありません。しかしそれだけでは物語は成り立たないので(私はそういう地味な物語も好きなのですが)、その分だけ周りの人たちがとんでもない強さ、能力を持っていたりします。
等身大であるがゆえに、主人公たちと魔物との戦いが手に汗握る白熱したものになっています。初めのうちは主人公たちも魔物退治は初心者、退治の対象となる魔物もそれ相応のものになります。しかしだからこそ見ることができる、不馴れで無駄が多く拙さも残る泥臭い少女たちの戦い。読んでいるこちらの満足感は相当なものでした。
作者様はこの小説のキーワードに「何故か無敵」と入れています。つまり主人公はどんなに苦労しても精神的に追い込まれてもピンチになっても最終的には無事に生還します。仲間が死んでしまう等と言う辛すぎる展開を始めから除外してくれているのです。この小説も200万字の後半に達し、これだけ長いこと読んでいればそれ相応に感情移入も致します。ここで主人公の身内が魔物にやられ彼女が泣き叫んだりしたならば、私もつられて泣いてしまうだろうし辛すぎます。そういうものがないと、安心して読める小説なので鬱展開が苦手な人でも大丈夫です。ただ鬱展開はなくとも涙を誘われる場面がないとは言っていません。登場人物たちに個人個人の考えがあり、そこが物語に深みを増してくれているのです。

平穏を投げ捨てた少女とそれに付き合い共に行動する友人たちとの小さい世界での物語。少しでも興味を持ってもらえたならば是非読んでみてください。

評価

総合評価D
女主人公
魔物退治屋
主人公ふつう
何故か無敵

その他

週3更新
文字数 2,735,169文字

小説リンク

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今までの紹介まとめはこちら↓↓↓

donngy.hatenablog.jp