【小説家になろうおすすめ】4.オマケの転生者
今回は女主人公のハイファンタジーを紹介します。主人公強めで恋愛要素はなし、異世界転生者です。
No.4 オマケの転生者
作者
むらべ むらさき 様
感想
家族から虐待され、クラスメイトからも虐めを受けていた女子高生のクラス転生ものです。
主人公とそのクラスメイト達は突然神様にその魂を刈り取られ、異世界の神々の遊戯の一齣としてオークションにかけられてしまいます。クラスメイトたちがそれぞれの別の神に買い取られていくなか、主人公だけは売れ残ってしまいます。というのも主人公の魂はひどく汚く臭いものだったのです。当然のごとく売れ残った主人公の魂は捨てられてしまい、後は魂の消滅を待つばかり。しかしそんな希望も未来もない主人公の魂を救ってくれたのが「名も無き神の器」と名乗るオマケ様でした。そして主人公は魂の恩人であるオマケ様の願いを聞き、自分を虐めていたクラスメイト達が転生した異世界へと向かうことになります。
主人公のエリーは生まれ変わっても家族には恵まれず、とある要因により食事も満足に与えられませんでした。そのため虫でも何でも食して幼児期を過ごします。しかし今回の主人公は独りではありませんでした。オマケ様が見守ってくれていて、会話だけとはいえ常に身近に他者を感じることができるから。
一章が転生するまでの話で、二章が生まれた村での生活、そして三章が修行パートになり、四章からひとり旅が始まります。
主人公は過去と現在の幼少期の経験から結構自分本意な考え方をします。そして元日本人としての感覚から自分の思考や行動にセーブをかけています。しかしここで100%主人公の味方であることは確定しているオマケ様が、そういう時に限ってなかなかバイオレンスな行動を示し、主人公を唆してきます。ぶっ飛んだ主人公と常識人を装った主人公第一主義のオマケ様。この2人、それだけでも楽しそうに旅を続けていきます。
主人公は元クラスメイト達とも場面場面で関わりを持つことになるのですが、クラスメイト達はそれぞれの神から別個の思考制限や思考の誘導を受けているし、主人公も気付かれないようにしているため、現状主人公が同郷のものであることに気がついている人は一人もいません。
人と関わって楽しく生きたいのに上手くいかない。どこへ行っても嫌厭される。それで人には期待せず一人で生きていくとは言ってみてもどこかで人の温もりを求めてる。そんな主人公の強さと弱さ、楽しそうで寂しそうな旅路がもどかしくそして切ない。
作者様曰く第一部も終焉に向かっているので、今このタイミングはこの小説を読む絶好の機会だと思います。
主人公の健気な健気なひとり旅、少しでも興味を持ってもらえたならば是非読んでみてください。
評価
総合評価C
女主人公
恋愛要素なし
主人公最強
基本一人称
ひとり旅
無表情