《小説家になろうオススメ》23.黒の主
今回は男主人公のハイファンタジーを紹介します。主人公強め、強面で冷徹、それでいて誠実です。
No.23 黒の主
作者
沙々音 凛 様
感想
娼婦の子として生を受けた主人公は、ある日母に言われました。『お前は、誰?』と。この言葉で母が自分をいないものとして扱っている、自分はいらない人間なのだと理解してしまい、彼は今まで過ごしていたその環境から飛び出てきます。
ここは剣と魔法と冒険者がいる世界。住み処を出たからと言って特別強い訳でもない空虚な少年が真っ当に生きて行ける世界ではありません。しかしそこで後に師匠となる人物と出会い、主人公の基盤となる部分が形作られていきます。その後色々あって師匠の元を発つまでが第一章でありプロローグです。この色々が主人公の特殊性の紹介にもなっています。
そして第二章からが本編、一章から数年経って町でそれなりに名前が売れている状態から始まります。なぜそのような噂が立っているのか、どのような事をやらかしているのか。そしてどのくらい強く成長しているのか。
主人公は娼婦に育てられただけあり、女性の扱いは慣れたもの。特に娼婦との関わり方は生い立ちならではのものを持っていて、物語の中心に近いところに彼女たちの存在があります。それとこの主人公、固定ヒロインがいるにも関わらず他の女性とも一夜を共にします。それも商売女のみならず、誘われたならば相手がどんな立場であろうと基本的には断りません。その為不誠実に見えるかもしれませんが、主人公の心理、心境、考え方からすればそういう行動をとるだろうと読者に思わせてきます。そういう主人公です。
そしてこの主人公は体格に優れ力も人一倍あります。そして努力を怠らず戦闘センスも持ち合わせ、状況を俯瞰的に見る視野の広さもあるためとにかく強いです。1人で戦っている時に負ける姿が想像できません。
こんな主人公が恩人と出会い、相棒を見つけ、部下を手に入れることで行える事の幅が広がり手がつけられない状態になっていきます。しかしそれでも魔法使い等の主人公よりも強そうな連中も多数登場します。魔法使いもまたオリジナルの立場にいて面白いです。
母に捨てられ心が冷えて、体格が精神に追い付いた時、主人公が本領を発揮する。
この小説に少しでも興味を持ってもらえたならば是非読んでみてください。
評価
総合評価C
男主人公
主人公強め
たらし
硬派