【オススメ紹介】1.嘆きの亡霊は引退したい 〜最弱ハンターは英雄の夢を見る〜【小説家になろう】
今回は男主人公のハイファンタジーを紹介します。主人公はある意味最強でハーレムあり、現地主人公です。
1.嘆きの亡霊は引退したい 〜最弱ハンターは英雄の夢を見る〜【Web版】
作者
規影 様
感想
特殊な力の宿る宝具、それが眠る宝物殿は世界各地に存在し、富や名誉、力そのものを求める命知らずなトレジャーハンターたちがそれに挑戦する時代。あるところにハンターになることを夢見る少年少女たちがいました。彼らは同じ村の幼馴染みで幼い頃から血の滲む厳しい鍛練を積み、とうとう村を出ることになります。そして向かった先は近場に宝物殿を多く有するトレジャーハンターの聖地『帝都』でした。
主人公はその上京してきた幼馴染みグループのうちの一人で、彼は幼馴染みたちと共に宝物殿に挑戦し苦労を共有するなかで自分の才能の無さをまざまざと見せつけられ絶望します。そして諦めてハンターなんて辞めてしまいたいと思うようになりました。これはハンターを引退したい主人公と一緒に上京してきた幼馴染みや周りの人達を巻き込んだ勘違い系コメディであり、ハイファンタジーです。
主人公に才能がなく同じパーティーの幼馴染みに才能があると聞くと一時流行った追放ものを連想してしまいますが、この小説はパーティーメンバーがリーダーでもある主人公を尊重し頼りにしています。皆ちょっと変だけれどとてもいい人ばかりです。というよりこの小説で純粋に嫌なヤツって一人も登場していないんじゃないですかね? 主人公の悪運を持ってすれば関わった人全てが可哀想な被害に遭いますからね。むしろ嫌なヤツほど同情したくなるような目に会うので、むしろ悪人のことを好きになってしまうこと請け合いです。
勘違い物によくある無理のある主人公ageが無く、それでも間違いなくダメダメな主人公が物凄い功績を上げています。各章ごとに予想外な事態に発展し、読者にも先を読ませない、しかし主人公の適当な行動や発言、周りの忖度によりしっかりと風呂敷を畳みます。読者視点で俯瞰して見ているからこそ色々わかることもあるのですが、もはや主人公すら自分自身のことを勘違いしているのではないかと思っています。
そしてもうひとつこの小説の何よりも凄いところが、主人公の2つ名「千変万化」の示す通り、個性豊かな登場人物たちから見る主人公の評価がそれぞれ違うこと。それでも皆一様に好評価であることです(主人公だけは低評価)。
この物語は主人公が上京してきてある程度の社会的地位を手に入れている状態から始まります。なので過去に主人公がどんな偉業を成し遂げて来たのか、成し遂げて行くのか。これも見どころです。そりゃこれだけのことをしていればその立場にいますよねと。
神にも認められた男クライ・アンドリヒ。彼の神算鬼謀をその目で確かめて見てはいかがでしょうか。
評価
総合評価A
男主人公
ハーレムあり
男女半々
千の試練
やマ神